シク教の無料食堂に行ってみた。パキスタンとの国境セレモニーも。
どもです。
今日はアムリトサルのようすを書いていきますね!
アムリトサルはシク教の人たちにとっての聖地。では、そもそもシク教徒とはどんな人たちなのかという点から話をしていきましょうか。
◆シク教徒とはなんぞやか
みなさんは、インドで最も信者が多い宗教は何教かわかりますか?
この問いには多くの方が自信をもって答えることができるのではないかと思います。
そう、ヒンドゥー教ですね。
ヒンドゥー教の特徴で有名なこととしては、神聖な動物である牛を食べてはならないってのがやはりメジャーですよね。
それと同じくらいに、カースト制と深く関係がある宗教だということも有名であると思います。
学校内やクラス内での立場を表す言葉として、スクール・カーストなんてことが言われたりしますが、カースト制は簡単に言うと身分制度のことだと考えてください。(詳しい内容はまた後日書いていきたいと思います。)
ヒンドゥー教の教えには、こうしたカーストの考え方が深く根付いています。そのため、ヒンドゥー社会のインドでは、未だカーストの社会に与える影響が大きいと言われています。(カーストによって就ける職業が限られたり、カースト外との結婚が許されなかったりする)
シク教は、こうした身分制度であるカーストを否定し、人間の平等を唱える宗教として成立しました。
シク教徒は、現在インドの人口の2%ほどしかいません。
◆シク教の特徴
シク教徒の特徴としてまず第一にわかりやすいのが、ターバンを巻いてるという点です。
ポーズをとってくれたかわいいシク教徒のおじちゃま。
警備のお兄ちゃんもバッチリターバンに槍。かっちょええ。
髭や髪を切ってはならないという掟のために、彼らのターバンの中には長い髪がまとめられているそうだ。毎朝長い髪を束ねてターバンを巻いてると思うと、シク教徒もたいへんである。
彼らの掟の中には"他人へ奉仕すること""自分の仕事に真摯に励むこと"といった内容のものがある。
もともと比較的裕福な層であったインド人がシク教徒になったという歴史がある。そんな人たちが熱心に勉学や仕事に励んだ結果、軍や官吏などの良い職に就く人が多くなっていったそうだ。そして、そういった成功者たちからの大量の寄付によって、アムリトサルはインドとは思えないほど綺麗な寺院や街並みをたたえ、無料のサービスを提供しているのだ。
黄金寺院には、何度入っても無料。
靴を預けるのも荷物を預けるのも無料。
インドらしからぬ風景が広がる。
また、我々がインド人と聞いてターバンを巻いた姿を思い浮かべるのは、カーストで職業がある程度固定されてしまうインドから脱出し、海外で熱心に仕事をして活躍したシク教徒が多かったからだという説もある。
◆黄金寺院に入ってみる
寺院に入るには靴を脱いで裸足で入らなければなりません。靴を脱いで、無料で預かってもらえます。
手洗い場で手をしっかりと清めて…
足もちゃんと清めないと、入場できません。
それらを済ませ、門をくぐると…
でーん!
何回見ても美しい…!
そして何回来ても無料…シク教徒様々やでほんま😌✨
沐浴する場所はちゃんとあるのに、そこら中で辛抱たまらなくなった人たちが沐浴し出しています。
因みに、池には普通に鯉が泳いでました。
恥ずかしくて人前で沐浴なんてできないっっ…/////
という女性のために、しっかりと周りが囲われた女性専用沐浴場もありました。
沐浴はホーリー・ディップって言うんですね。なんかチキンナゲットを連想してしまいます。僕はマスタード派。
しっかりと額を地につけて礼拝している人。
沐浴しながら祈りを捧げる人。
黄金寺院の前で、じっとたたずむ人。
バラナシの時も感じたのだが、何かに真剣に取り組んでいる人の姿は本当に美しい。
彼らが祈りを捧げる姿を見ていると、なにか今の自分に足りないものを見せられているように感じた。
宗教について、否が応でも触れざるをえない旅である。またいつか、そういった話も書いていきたいと思う。
◆無料食堂でご飯をいただく
僕がアムリトサルに来たかった大きな理由の1つとして、無料食堂に行ってみたかった。というのが大きい。
以前、モンゴルで先輩バックパッカーの人と話をした時に、
インドのゴールデンテンプルで毎日10万食ものカレーが、無料で振る舞われている。国や宗教に関係なく、訪れた人たち全員に平等に食事が与えられるんだ。
という話を聞き、めちゃめちゃ興味が湧いた。
日本に一時帰国した際に、この無料食堂の1日を描いた映画『聖者たちの食卓』を見終わった時には、絶対にアムリトサルに行くことを決意した。
聖者たちの食卓はAmazon primeで見ることができますので、興味がある人は是非見るべし!
そんな、夢にまで見た食堂についに行ってきました!!
まずは入口でお皿とスプーンを受け取ります。
その後、階段をのぼり廊下を進んで大広間に。
広間に出ると、たくさんの人が床に座っています。
僕も同じもように座って待ちましょう。
ボランティアのシク教徒がカレーを配膳してくれます。無料食堂では、300人のボランティアが奉仕していて、彼らのおかげで成り立っているそうだ。すごい。
アムリトサルの無料食堂。
— だ。 (@DamalYsk) 2019年12月3日
シク教徒の人たちのボランティアで毎日の食事提供が成り立っている。 pic.twitter.com/zqWttsQuST
この、手を差し出してチャパティ(ナンみたいなやつ)をポンッと投げてもらうやつ、映画観てた時から憧れやったので、感動〜🥺✨✨
結構雑に入れてくださるので見た目はアレですが…こんな感じです!言えばおかわりをもらうこともできます!
僕は右上の甘い粥みたいなのがちょっと苦手でしたが、しっかりと全部食べさせてもらいました。ごちそうさまでした。
食べ終わった人から階段を降り、食器を返して終了です。
奥では食器を洗う人たち
出口周辺では、食材の皮を剥いたり下ごしらえをする姿も見ることができる。
こうした無料食堂は、カーストに関係なく皆で同じ食事を同じ場所で食べるという平等を大切にする思想から始まったそうです。
インドでは、異なるカーストの者と同じ場所で食事をしないといった差別があり、それを否定するような意味合いで始まったそうだ。
500年ほど続くこの無料食堂を未だ続けているシク教徒の人たちの姿を見て、彼らを尊敬せざるを得なかった。
◆国境クロージングセレモニー
アムリトサルはインドの北部、パキスタンとの国境付近にある街です。
パキスタンとインドは、ざっくりいうとかつては同じ国であったのが独立の際にイスラム多数派のパキスタンとヒンドゥー多数派のインドが戦いの末に分離独立したという歴史があります。
そうした確執をもった二国間の国境では、毎日クロージング・セレモニーという、国境を閉じる催しがなされているそうで、それを見に行ってきました!
お昼すぎに黄金寺院周辺を歩いてると、
ボーダーボーダーボーダーボーダーボーダー!!!(国境)
って呪文のように唱えながら客引きをしてるお兄ちゃんたちがめっちゃいます。
とりあえず何人かに値段を聞き、一番安かった往復送迎100ルピー(170円)のトゥクトゥクでボーダーへ!!
1時間弱くらいトゥクトゥクに乗ってようやく到着。するや否や、インド人がやってきて両手を出せ!とアピールしてきた。
お前はインド側やからな!
ということなんだろうか、両手両頬にインドの国旗をペイントしてもらった。結構気に入って、やった〜♪て浮かれてたら、インド人が一言。
一つ20ルピーで、合計80ルピーだ。
…うん…そうやった、ここインドやった…
致し方なくお金を支払い、セレモニーが行われる会場まで歩く。
スタジアムみたいになってて、インドの本気度がうかがえる😳
右側の格子が国境。
セレモニーの前に2、3組国境を通過していた。
日本にいると、陸続きの国境って物珍しいから直ぐ近くに国境が見えるだけでもなんかワクワクしますね😳
外国人はパスポートを提示することで、国境付近に座らせてもらえます。インドにはこんだけ外国人も来てるんだぜ!!というのを見せたいのだろうか😅
さあ、セレモニーが始まります。
ちびっ子からおばちゃんまで、たぶん誰でも並べば参加できるっぽいインド国旗を持って往復するフラッグ・ガール的なのから始まる。
この時には、席は結構埋まっている。2階席もあるから、シーズンだとパンパンになるんだろうか。
軍のにいちゃん達の行進。
音楽に合わせて踊り狂う女性たち。
これも、女性であれば誰でも参加できそうな感じであった。
そして、軍のお兄ちゃんたちによるパフォーマンス、、
パキスタン側に向かってガッツポーズしたり、胸を張って威嚇?したり、
ポーズを取るたびに、観客席からは歓声が上がり、会場はすざまじい熱気に包まれていました。
インド、パキスタン国境で毎日行われるクロージング・セレモニー。 pic.twitter.com/ac1PrS1AAY
— だ。 (@DamalYsk) 2019年12月3日
パキスタン側とどっちが大きな声を出し合えるか勝負みたいなのも行われていて、
ヒンドゥスタン!
うぉぉおおおーーー!!
ヒンドゥスタン!!!
うおおおおおおおお!!!
という、半端ないモチベーションのやりとりが何度も続く。
愛国心の凄さをもうちょい見習った方がいいかもしれんと思った。笑
最後には、お互いの国旗を下ろして終了〜
インド・パキスタン間はあまり仲よくないイメージであったのだが、このセレモニーに関して言えば、お互い切磋琢磨しながら良好な関係を築けているんやないかと感じた。
アムリトサルが良すぎて、他にも色々書きたいことはあるのだが、気力がもたないのでこんなもんにします。
アムリトサルに売ってるチョコディップソフト20ルピー(34円)がうますぎて、6回くらい買ってしまった。
このソフトが恋しい今日この頃です…