遊牧民のゲルにホームステイ〜3泊4日の遊牧民体験〜

 

南ゴビのツアーの次は、4日間のゲルホームステイに行ってきました🏃‍♂️日本にいた時から、家畜とともに移動しながら暮らす遊牧民に憧れていたので、もう実際に行って一緒に暮らしてみよう!という試み。しかし、もうこの時点で羊肉への苦手意識が半端ないが、さてどうなることやら…

 

長距離バスを利用してホトントへ

今回のホームステイ先に行くために、モンゴル帝国の都カラコルムの近くにあるホトントという町に行かなければならない。南ゴビは乗り合いツアーだったので、ジープに乗り込んでゆっくりしてれば勝手に車が目的地に向かい、着いたらおろして案内をしてくれた。しかし、今回はゲストハウスのオーナーが長距離バスの席をネット予約してくれたので、各地の停車地に止まりながら目的地を目指すことになる。降りる場所を間違えるとえらいこっちゃなので、注意深く地名を聞いておかなければならない…👂🏻

これからバックパッカーの旅を続けていく上で、異国の地での長距離バス移動は避けられないので、初の実戦訓練である。(まあ恐らく一番大変なバスチケットの予約をオーナーがしてくれたので、そこはまた要実戦訓練ではあるが…)

ドラゴンバスターミナルという巨大なバス発着センターまでオーナーに連れて行ってもらい、無事席に座ることができた。車内はこんな感じ。

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テレビが備え付けられていて、モンゴリアン・ソングのミュージックビデオが流れたり、コメディショーみたいなのが流れたりする。モンゴルのミュージックビデオは、イケてない男が綺麗なお姉さんに惚れて、めちゃめちゃアピールするけど結局フラれる。といった内容が多くて、見ていて面白い😂
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座席はまぁ柔らかくはないしそんな広くはないけど、結構綺麗で全然良きである。ちなみに乗客は俺以外全員モンゴル人である。

バスは定刻どおり8時に出発。海外の交通機関の出発時間などあてにならないことが多いと思うので、びっくり。てっきり1.2時間くらい待つもんかと。えらいじゃんモンゴル🇲🇳good job!

車内はイヤホンなしで音楽聴いてる人がいたり、ガンガン電話したりと自由な雰囲気。賑やかでよろしい。

そして俺の座席は丁度タイヤの真上らしく、足場が高くなっているために、わずか1時間でケツが痛くなり始める。ケツポジを何度も変えながらひたすら待つ😱

しばらく走ると車内は暑くなってきたので、ぬるめの冷房がかかる。片っぽの冷房を隣の席のおじいちゃんに向けてあげると、さっきまでムスッとしていたおじいちゃんがにっこり笑顔になって、「どこまでいくんや?」ジェスチャーで聞いてきたので「ホトントまで!」というと、そうかそうかと頷いて、ホトントの街が近づいたら「兄ちゃん次やで!ホトント!」と教えてくれた。うーん、モンゴル人は本当に親切である…🇲🇳✨

ホトントのバスステーションに着くと、運転手のモンゴル人がこの兄ちゃんの迎えは誰や〜?と聞いてくれて無事に迎えの車と合流し、ホームステイ先へと向かうことができた🏃‍♂️

昼飯休憩も入れて、約7時間のバス旅であった🚌

 

ホームステイ先に到着!

ホームステイ先のゲルはホトントから車で30分ほど走った先にあった。真っ平らな草原ではなく、山(丘?)や川が豊富なとてもステキな地である✨

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ゲルは結構至る所に建てられているので、道路の側とか街の近くすぎると、草原感がなくて嫌だな〜と思っていたので、凄く良い場所に当たってラッキーである!✨

今回お世話になるゲルは、ジャルガーおじちゃんゲルリーおばちゃんの2人が住むゲル。近くには家族や兄弟のゲルもあって、皆で協力しながら暮らしている。2人は遊牧民の中でもリッチな方らしく、本当にたくさんの家畜を飼っている(オーナーは千匹くらい飼ってると言ってた)ので、たくさんの家畜が放牧されている光景を見ることができる点もラッキーである☺️✨

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羊たち🐏🐑もっともっと沢山いる。

 

モンゴル流 おもてなし

モンゴルでは、客人に対してお茶やお菓子などなどを振る舞う慣習があり、南ゴビツアーの際も、立ち寄ったゲルでおもてなしを受けることが度々あった。ホームステイ中も、近所の人や友人が来ると必ずおもてなしをしており、とても素晴らしい慣習である✨と同時に、我々観光客を苦しめる慣習でもある

ゲルを訪れると、スーテーツァイ(モンゴリアン・ミルクティー)、アイラグ(馬乳酒)、そしてアルヒ(モンゴリアン・ウォッカ)などなどで、もてなされる事になる。檀原はゲストハウスの試し飲みスーテーツァイでボコボコにいてこまされたという話を前に記事で書いたが、様々なゲルを訪れる度に癖の強いおもてなし攻撃が繰り出されるのである。しかも、親切な事に大量にくれる😱モンゴルの料理やおもてなし飲料は基本山盛りで出されるので、げろげろ言いながら全部食べきるのは不可能で、断る勇気を学んだのであった。

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ゲルに着くと早速アイラグをいただく。むっちゃ酸味を強くした牛乳?ヨーグルト?みたいな味で、一口目は酸味にびびるが割と飲める。ゲストハウスで他の日本人とエマと試し飲みした時は、一口飲んで2人とも絶対に無理!!と言っていたので向き不向きがあるのかも。ゲルでいただくアイラグには、割とデフォルトで虫ちゃんが入っているが、気にせず取り出して飲む。(神経質な人はもうこの時点で無理かもしれない…)続いてツァイも飲め飲め!と言われてトラウマスーテーツァイにも挑戦!

あれ、意外といけるぞ…🙃

ゲストハウスの時ほど塩味が濃くなく、まだ飲めるレベルであった。しかし量が多い!!!

ゲルでの食事についてはまた後ほど。

 

さまざまな遊牧民体験

3泊4日で色んなことがあったので、◯日目〜という書き方でなく、要素ごとにまとめて書いてみる事にします。

まずは一番楽しかった遊牧民体験について。

 

  • 乳搾り&その手伝い

遊牧民にとって家畜は財産である。殺して肉を食べることもあるが、それは財産を消費することになる。そのため、多くは家畜から取れる乳を加工して様々な食料とする。毎日毎日、家畜の乳を絞るのが彼らのライフワークである。特にジャルガー夫妻の家畜は数が多いので手間もかかり時間がかかる💧実際にどのような形で乳搾りが行われるか、朝に行われる牛の乳搾りの行程を紹介しよう。

1.散らばっている母牛を子牛の近くまで集める

子牛は前日に柵の中に集めてあるので、その柵の付近まで母牛を集める。

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子牛を柵の中に入れておくのは子ども達の役割みたいだった。ちびっこたちも戦力として働いている。

遊牧民の人たちは結構色々と経験させてくれて、あそこの親牛をこっちまで連れてきて!といきなり言われ、仕事を与えられる。どーやってやねん!って感じであるが、おじいちゃんの真似をしながら追い立てることができた。楽しい😳✨コツを掴めば家畜を追い立てること自体は結構簡単である。おじいちゃんや家族たちは、紐でバシバシ牛を叩いたりしてて、スパルタ感満載やった。日本やったらそれパワハラかなんかで訴えられるで、じっちゃん…(日本の農場でも当たり前なんやろうか)

2.1匹ずつ子牛を柵の外に出す。

乳を絞るためには一旦子牛にある程度乳を飲ませることで、乳が出る状態にした上で子牛を引き離し(子牛がめっちゃ嫌がるけど大分力づくでひっぺがす)、絞ることになる。そのため、連れてきた母牛の子供だけを柵の外に出し、乳をある程度飲ませたら引き剥がして柵に繋ぐという行程だ。これが結構力がいる…。

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こんな感じで繋いでおく。

安定のモンゴリアン無茶振りであの子牛を柵の外に出して! あの子牛を母牛から引っぺがして繋いどいて!と色々指示されるので、これも見よう見まねでなんとかこなす。中にはおかんのおっぱい飲みたすぎてめっちゃ抵抗する子牛もいるので、「ほれほれほれほれ!そんな暴れんと!」とかって思わず牛を叱りながら引っ張っていくと、モンゴル人達が「ホレホレホレホレ!」と笑いながら真似してくる。楽しい😳✨

3.絞る

こうした行程を経て、ようやく乳を絞れる。乳搾りもやらせてもらったが、なかなかコツがつかめず難しかった😂ばあちゃんたちは高速でビュッビュッ‼︎としぼりまくっていて、すんげぇ〜と眺める他ない。ほんとにすごい。

4.子牛を柵から放す そしてウンチ掃除

繋いでおいた子牛を離して、乳搾り行程はおしまいである。しかし、一晩大量の子牛たちが囲われていた柵の中はウンチまみれ💩これを長いシャベルのようなものを使いすくい取り、綺麗にする。ウンチをすくうのもコツがあって、シャベルを瞬間的に高速で動かし、ソォイ!とすくうとイチコロである。ウンチすくい体験も楽しい。それがモンゴリアン遊牧民体験。

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たくさんとれました

 

だいたい20匹ちょいくらいの牛達の乳をしぼりきるのに、2人がかりで1時間半くらいかかってた。夕方には馬の乳搾りもあるので、毎日これを行い続けるのは大変である。絞った乳はそのまま飲むのではなく、すぐに保存のきく他の食品に加工するので、おばあちゃんはここからまた一手間かかるわけである。因みに、乳搾りは女性の仕事である。牛を集めたり縛ったりをおじいちゃんが手伝うことはあったが、乳搾りには絶対に手を加えなかった。男女の役割がしっかり決まっているのも遊牧民の特徴の一つであると感じた。

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馬からも絞る🐴

  • 放牧と家畜の回収

続いて放牧されている家畜の管理であるが、これは男性の仕事である。朝、男性の仕事は放牧から始まる。その日の状況を考えて、良い草が生えている場所に向かって家畜を追い立てる。毎日違う場所へと放牧するのである。遊牧民といえば、馬に乗って家畜を追い立てる姿を思い浮かべる人が多いと思う。しかし、令和の遊牧民が乗るのは馬ではなくバイクである🏍

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バイクやジープ、トラックなどは最早遊牧民にとって欠かせない物であるようだった。むしろ馬に乗っている姿は3回くらいしか見ることはなかった。時代とともに遊牧民の生活も変わっているようだ。(しかし乗馬の文化は無くなったわけでなく、モンゴル人はちびっこの頃(確か6歳ごろ)から馬に乗るようである)

15時ごろになると、放牧した家畜たちを連れ戻しに出かける。おじいちゃんのバイクの後ろに乗せてもらい(ガッツリノーヘル)、放った家畜たちを探しに行くのだが、これがめちゃめちゃ楽しい😳✨広大な大自然の中、風を感じながらバイクで突っ走るのは最高に気持ちが良かった✨

微妙に伝わり辛いが、めっちゃめちゃ急な斜面をバイクで走ってる。山の頂上までバイクで突っ走ってきたので、もうこれだけでジェットコースターみたいで最高✨

家畜たちは、どこまで遠くに行ってんねん!!ってくらい遠くの草原や山の上にまで草を求めて移動しているので、探しにいくのも一苦労である。

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しかし、朝に放った方向などから大体の見当は付いているみたいで、どこにいても探し出すことができていた!すごい!😳

探し出した家畜たちをバイクで追い立てる。

日本ではとても見られない光景を目の当たりにして、圧巻だった😳

2日目ともなると、ちょっとあっちの群れを追い込んでくるから、ここ頼んだわ!といって1人任されたりして凄く良い経験ができた。

その時の動画。沈む夕日を見ながら大量の家畜たちを追い立て歩く。こんな経験ができる日が来るなんて…‼︎我ながらステキな人生である🚶‍♂️

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15時ごろに家畜たちを移動させると、一旦ゲルに戻り、18時ごろにまた出発して近づいて来た家畜を再び追い立てる。家畜たちが何で毎日ちゃんと同じ場所に戻ってくるのか不思議である。

1日に何度も散らばった家畜を追い立てにバイクで走り回っていて、結構大変そうな作業だった。

 

文量がえげつなくなりそうなので、一旦ここまで。他にも色んな事があるが、また後ほど書くとして…✍🏻

 

モンゴルの草原でのんびり過ごす

遊牧民の人たちは結構せわしなく働いている。(もちろん度々休憩時間もあるが)体験できそうな仕事は一緒にやらせてもらったが、馬の管理とか危ない仕事はできなかったので、そんな時は草原をブラブラ散歩してみる🚶‍♂️

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なぁーんもない。ただ、それがいい。

お気に入りだったのが、ゲルの裏手にある丘。ここに登って芝生の上に寝転がり、ぼーっと家畜を見たり、空を眺めたり、本を読んだり、昼寝してみたりするのが最高に気持ちいい。

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のんびりと時間がすぎる。

働いている時は、毎日忙しくてこういう何もしない時間っていうのがなかった。休みがあると折角だからっていって遊びに行ったり飲みに行ったり。YouTube沼にハマったり。

Wi-Fiはおろか、見渡す限りなーんにもない草原で何もしない時間を堪能できるのってすごく贅沢である。

 

モンゴルの夜空に魅了される

さて長くなってしまったので、今回は空の話をして終わりにします。

以前、南ゴビで星が綺麗だったという写真を投稿しましたが、その日は月明かりのある夜で星の数も知れていました。

しかし、今回は月は出ておらず田舎なので光が全然ない真っ暗な草原。星空はどやろか〜と思い、外に出てみると

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めっっっちゃくちゃな星空が広がっていた😳💫笑

今まで、日本で阿智村に行って満点の星空を見て、写真を撮ったりしてきたけど、満点の星空っていうのは、こういう空のことか…ってくらいレベルが違った😳星がこぼれ落ちてきそうな夜空だった😳カメラじゃ一部分しか切り取れないけど、見渡す限り星が散らばっていて感動の光景であった✨

南ゴビでモンゴルを結構堪能した気分でいたが、まだまだこんなもんやないぞと必殺技を繰り出された気分だった。完敗である。まいった。

 

このように、控えめに言って最&高なホームステイだが、他にも食事のことやゲルのことなんかも紹介したいので、また書きますね✍🏻

今回はこの辺で👋🏻