20時間鉄道旅! アジャンタ石窟群を探索

 

すっかりブログを書く癖が抜けてしまいました。がんばります。

 

◆20時間の鉄道旅。ジャルガオンへ

楽しかったバラナシとお別れして、次なる目的地であるジャルガオンに向かうために駅へと向かう。

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バラナシの駅。

バラナシの駅では、先々のチケットも購入することができるというアドバイスをもらったので、前日に3枚分チケットを購入することに成功◎

 

鉄道のチケット購入とか、俺の言語力ではきつい…🤤

 

とか思ってたけど、人も少なく係員のおっちゃんもすごく丁寧に教えてくれたので全然問題なくチケットを取ることができた。

ありがと優しいおっちゃん☺️

 

相変わらず長い長い鉄道に乗り込む。
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見にくいけど、車両入口の手すりに4人くらいのインド人がしがみついていて、そこはかとないインド感を味わう。

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ほんとに退屈しない国である…。笑
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今回は前回コルカタ⇨バラナシ間で利用したものよりワンランク上の2Aというクラスの席を取ってみた。

前回のように三段でなく、すべて二段ベット。さらにカーテンの仕切りもついているという素敵設定。
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これは快適だ😳✨
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車窓から見えるバラナシの風景にさよならを告げる。

こうしてみると、田舎やな〜

 

本来僕は下のベットだったのだが、同乗のインド人が上の席と変わって欲しいと申し立ててきたので、席を変わることに。

僕は上でのんびりねっころがっていたかったのでラッキー♪

インドの鉄道では、仲間同士近くの席にしたかったり、お年寄りの方が上にのぼるのがしんどいという理由などから、席替えの交渉が多いらしい。

 

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今回の旅はバラナシ(上の画像ではバラナス)⇨ジャルガオン間の20時間である。

11時に出発し、翌朝7時に到着するかたちだ。
バラナシで買ったお菓子やバナナなんかをもぐもぐしながら鉄道に揺られる。

揺られ…

揺られ揺られ…

 

ゆら…

 

めっちゃ暇。

 

電車の中は基本電波が悪いので、iPhoneYouTubeとかをみるわけにもいかないし、ブログとかを書いてみたりもするんだがなんかやる気でずに進まんし(これは完全に気分屋な自分が悪いが)、ごろごろごろごろして時が経つのをひたすら待つ。

 

あまりにも暇すぎて、写真フォルダ一番古いのまで見返したり、ラインの過去のトーク履歴とか読み返したりするくらい暇でした。
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夜飯は車内販売で買ったベジライス。

美味しかったんだけど、変な香辛料みたいなのに当たると妙な味がしてそこだけ不快だった。

 

ジャルガオンは終点ではないので、時間が近づいて来たらGPSで今どれくらいの位置なのかを確認して、降り遅れないようにしないといけない。

 

日本とかみたいに、

名古屋〜、名古屋です。お降りの方はお忘れ物のないように〜...

みたいなアナウンスは塵ほどもかからないので、自分の力で降りないといけない。

 

まあしかし、全然難しいこともないので無事にジャルガオンに到着。

20時間とそこそこ長い時間だったが、寝台でずっとごろごろできるので、暇だったこと以外は全然問題なく快適であった。

 

◆なにもないジャルガオン

ジャルガオンに着き、朝7時と早いがチェックインOKということなので、荷物をおきにいく。

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ジャルガオン自体、観光するようなところではないので宿が少ない。その中でも一番安くて綺麗そうなホテルを予約しておいた。

ドミトリーはなく、個室オンリーであった。一泊750ルピー(1,275円)。たけー!しゃあなし。

綺麗だけど、蚊がいてうざかったし部屋にWi-Fiも電波も届かないという仕様だったのでなんともいえん。宿のおっちゃんは良い人やったけどね。

けどまあ、個室はいいね。気を遣わずにいられるし。

 

ついてすぐ、アジャンタ石窟寺院を見にいくためにバスステーションまで歩く🚶‍♀️

バラナシでは30秒に一回(もっと多いか?)間隔でインド人たちが話しかけてきたのだが、ここでは全然はなしかけられない!!

たまにトゥクトゥクの兄ちゃんとかが声かけてきても、歩いて行くからいいよーって一声かけると、あぁそうなんか。って秒で引き下がる!!😳お前らそれでええんか!!(ちょっと感覚狂ってる)

バラナシ民をみてみろ!あいつら鋼のメンタル鬼のような商才もっとんで!!

見習え!とは、よう言わないが、観光地以外ではこんなもんなんかと拍子抜けした。まあこれはこれで、ゆっくりできてええわな。

 

ジャルガオンの街は、ほんとに特筆することのない地方の街って感じだった。まあ滞在時間が短かったのもあるだろうが…砂埃と蚊のイメージ。(最悪やな)

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しいていうなら、このウォールアートがド好みで、このTシャツ売ってたら100%買ってたのに…‼︎という素敵な絵があったくらいでした。

 

バススタンドでその辺のインド人にアジャンタに行きたいんやけど。と話しかけると、

あぅあ!ごめん俺英語話せないんだわ💦💦向こうのカウンターで聞いて💦💦

と外人に話しかけられた日本人みたいな反応してた。他にもおんなじように英語わかんない人が多くて、インド人でも地方では英語話せん人が多いんやな〜という発見があった。

 

バスはインドらしからぬ凄く良いやつで、エアコン付きで座席もちゃんとしてた。(写真撮り忘れ)

インドのバスは、とりあえず乗り込んで発車してから車掌さんがお金を徴収しにきます。アジャンタまで2時間くらいで110ルピー(187円)まあまあ高いかな?という感じだったのだが、その理由は後で発覚する。

 

車中からの景色は、ザ・田舎の風景であった。爆走するバスやバイクによって巻き上げられた砂埃がひどくて写真を撮る気も失せてしまったのだが…

バスに揺られながら、あることにふと気付く…

 

ここ、デカン高原じゃん‼︎

 

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説明しよう!

デカン高原とは!

インド半島の大部分を占める台地で、レグール土という肥沃かつ綿花栽培に適した土壌の分布する土地である!

そしてこのデカン高原・レグール土・綿花栽培という要素がズバリテストに出るのである!!

 

窓が汚すぎてうまく撮れなかったという言い訳をさせてもらいますが、デカン高原では学びのとおり綿花栽培が多く行われていました。
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イメージ図

なんかこう、学びを体感して再確認する作業ってすごい面白いんです!!

欲を言うならレグール土を触りに行きたかったんだが…無情にも走り去るバス。

しかし、机上の知識として認識していたデカン高原に実際訪れることができて、感無量であった。

そんな道中も楽しめるバスは、めちゃ快適に目的地に到着しました。

 

◆アジャンタ石窟寺院

そんなこんなで到着!

アジャンタ石窟寺院です!!

5世紀ごろ(1500年ほど前)につくられたとされる石窟寺院を見るのは、この旅においてマストだったので胸が高鳴ります!わくわく!

看板に従ってシャトルバスで石窟群のあるポイントまで移動します。

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入口にある雰囲気のある木。

こういうとこから雰囲気作ってくる感じ…イイネ!👍🏻

 

入場料は外国人プライスで600ルピー(1,020円)。高いなー、やっぱり😂

まあでも、それでこの世界遺産が維持されていると思えば、全然安いもんだと思っておこう。

 

アジャンタ石窟寺院は、断崖を掘削して作られてた仏教寺院の遺跡。
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こんな崖でどのように作業していたんだろうか…ぜってー危ないよな…

 

というか、

 

この崖を削って、仏教寺院を作りなさい

 

って言われたら今なら炎上しそうですよね。

ウチの上司アタアカなんよ!!!

ってね。働き方改革

しかし、かつてのインド人たちのパワーと熱量、そして多大なる労力のおかげで今なおこうした遺跡を楽しむことができるわけで。感謝しかない。

 

しかし、8世紀ごろになるとインドで仏教が衰退していき、この石窟群の存在は忘れ去られてしまったそうだったそうだ。

19世紀はじめに虎狩りをしていたイギリス人が、虎に襲われて偶然この渓谷に逃げ込んだときに発見されたそう。

 

虎狩りをしていたイギリス人て相当なパワーワードだが…

 

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アジャンタはこのように、川にそってそびえる崖を掘削している。これをぐるっと巡ってから見晴らし台で全景を見ることにした。

 

アジャンタといえば、壁画が有名である。

通常、こんなにも古い時代の壁画は風化してしまい、なかなかその形を捉えることが難しいのだが、人里離れた地に忘れ去られていたことや、洞窟の中に描かれたこともあり、保存状態がとても良いのだ。

 

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一番有名な蓮華手菩薩像

この壁画は、日本の法隆寺の金堂壁画に影響を与えたことで知られているそうだ。

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こちらが法隆寺金堂壁画。

うむ。たしかに似ている。たぶん。

しかし、日本から遠く離れたインドの壁画がかつての飛鳥の地に影響を与えていたと考えると…ロマンがある…。人の営みってすげぇな。f:id:yusuked:20191130145351j:image

芸術のわからない檀原でも、薄暗い洞窟の中に描かれる仏教の物語の数々にはやはり圧倒された。

ガイドブックをあらかじめ読み込んでおいたので、なんとなくの物語は理解できるのだが、やはり詳しいところまでは読み取れないのが悔しい…。

入口のところで、日本語を話す怪しいおっさんが600ルピーで案内してあげますぜ、げへへ。と猛烈にアプローチしてきたのを一蹴してきたのだが、テキトーな解説でもないよりはあったほうがマシだったかもしれないと若干後悔。
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仏教絵画と仏像、そして薄暗い洞窟が組み合わさってすごく神秘的である。

上の写真なんて、もう100%結構強めのボス出てくるでしょこれ。一旦パーティー全滅させられるやつでしょ。
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ダークな感じがたまらない。
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ストゥーパがいい味を出しています。
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天井画も見事と言わざるをえん。
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神秘的かつかっこいい柱's
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造り込みがえげつない。これを掘って持ってきたんやなくて、崖を削って作ったんやから驚愕ですよね😳
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最後の洞窟にある涅槃像。


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見晴らし台まで行くと、インド人のおっちゃんに案内されて近くの滝を見に行くことになった。
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写真奥は韓国から仏教徒としてインドに修行しにきているらしいお坊様。もう15年くらいインドに住んでるらしい。すげぇ。

綺麗な川&滝だったので、皆で足だけ入水。歩き回ってほてった体に冷たい川の水が気持ちいい!

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見晴らし台からの景色は壮観であった。訪れる人は(階段えらいけど)是非登ってみるべきである。

 

案の定、インド人のおっちゃんがセールスをはじめるも、シカトぶちかましてお坊様とご飯をご一緒させてもらう。

日本についてどう考えているか??

と聞いたら、

 

私は修行僧だから、どの国の人も等しく愛していますよ。でも、あなたの質問の意味はよくわかります。韓国では、政府が歴史を歪んだ形で教えていますが、今の若い人たちは自分たちで正しい歴史を調べることができるから、心配することはないと思います。

 

というような旨を話してくれた。

この話を聞いて、是非一度韓国にも行ってみて、現在の韓国の方々がどういった人たちなのかを肌で感じて、学んでみる必要性を感じた。

俺にでもわかりやすいような、易しい単語を使って話をしてくれた、この方との出会いには多くを教えられた気がする。

 

3時ごろまで観光したあと、別々の街に戻るためにバスが通る大通りで別れた。

自分の行きたい待ちの方へのバスが通ったら、アピールしてバスを止め、乗り込む。

帰りに乗り込んだのは、行きに乗った快適なバスではなく、今にも壊れてしまいそうなボロボロの赤色バスであった。

料金は75ルピー(128円)。行きより安い!と喜んでいたのも束の間、バスはけたたましい音をあげて悪路を爆走しだした。

 

車体が悪いのか、タイヤが悪いのかわからないが、ジェットコースターのように前後左右上下に激動するバスの中で激しくシェイクされながら帰る羽目になってしまった。

あまりにも激しい運転に、何度もケツが浮き上がり、そして座席に叩きつけられる。エアコンがないため、開け放たれた窓からは砂埃が大量に入り込んできて、スマホの画面は一瞬でザラザラ仕様に。

 

あまり乗り物酔いしない体質で心底良かったと、心から思った。

 

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20時間の寝台列車よりキツイ2時間のバスをなんとか乗りこえ、ホテルに帰る。

このくすんだ赤い車体を、僕は2度と忘れないだろう。